「私」は、ただ「反応」しているだけ。

アラフォー独身女子(彼女はいます)。「人生これでいいのか?」と思いながらも、「毎日楽しく暮らす」のが1番の望み。

宝塚初心者のとりとめない会話③ ~続・歌について~

 



12月22日(土)私の部屋にて



私:タカラジェンヌって、歌・踊り・お芝居の他にも、メイクの研究とか自己プロデュースとかもしなきゃならなくて本当に大変やよね。その中で、どのくらい歌に時間割けるのかな?って思ってて。

K:人それぞれ?

私:まあね(笑)どれをとっても大変そうだしね。バランス良くって難しそうなんだけど、歌っていうか、音楽を学ぶ比重がちょっと多くてもいいかなって思ってて。それは私が音楽に1番関わってるからそういう風に思っちゃうのかなってのはあるんだけど。

K:踊りはちょっとやったことあったっけ?お芝居は?

私:やったって言えるレベルでは全くないよ。今見てたばっかりの先生の振り、次の瞬間もうわかんなくなるから・・・。フィギュアスケート(って呼べるレベルでは全くなくて、サークルを描く程度)を数シーズンだけやったときの流れでバレエ教室に通ってたってだけ。

K:手を褒められたやつね(笑)

私:そう。バレエは足の芸術って意識が全くないままはじめちゃって、だんだんと私は手をひらひらさせたいだけなんだって気づいたやつ(笑)お芝居は全く経験なし。

K:やってみなよ(ニヤニヤ)

私:いや(笑)。やりたいと思ったことないわ。なぜか。それで、まあ偏った見方なんだとは思うけど、私が歌を押す理由は、芸術系、絵とかダンスとか、いろいろな種類がある中で、音楽って1番はったりがきかないんじゃないかって思ってて。

K:?

私:絵の世界とか、けっこうはったりなんじゃない?って思ってて。特に現代美術。感性とか言われちゃうともう・・・。

K:怒ってた時あったね(笑)

私:そう、あいつ!(怒)イギリスからきたゲイのアーティスト。日本で作品作るから日本のLGBTの人に協力してほしいとかってことで、話聞くだけ聞いたけど、人のプライバシーとか人生とかに配慮がなくて自分のことしか結局考えてないんだなって人で。作品も本当に駄作っていうか、浅いっていうか、薄っぺらいていうか、それでいて面白くもないっていうか。

K:怒ってる(笑)

私:それで現代アートについて考えてた時期があったけど、音楽より美術に触れる機会って少ないから、絵とかアートの価値をちゃんと理解できる人って少ないよね。音楽だってそうかもしれないけど、少なくともはったりはきかないよね。だって下手じゃんって思われて終わりっていう。絵とかだったら、そこらへんの子どもの絵ですら芸術を感じちゃったりして。一般の子どもの歌で芸術感じちゃうことなくない?

K:そうだね。

私:ちょっと話それちゃったけど。で、踊りはさあ、音楽なしで踊ることってないよね?それこそ究極に難しそうだけど。音楽の力で多少下手でも簡単な振り付けでも成立するし、場が一応持つよね。歌は簡単な音程ばっかってわけにいかないし。歌は音楽の主役だし。

K:うん。でも踊りも大変そうやけどね。

私:結局全部がんばらないとなんだけど(笑)カフェブレイクで宇月(颯)さんが、少しでもよろけたりしないように毎回緊張感もってやってるって言ってた。宝塚の人って本当に大変そう!私、ミュージカルの人って歌も踊りもできるって思ってたけど、主に歌だけの人いるよね。歌も踊りもって本当にすごい。

K:ね。

私:お芝居はさあ、発声とか、セリフ回しとか、音楽の要素が含まれてるよね。

K:そしたら踊りはリズム感関係あるよね。

私:音楽を感じる力も。音楽教育大切じゃない?

K:説得(笑)

私:音楽の難しいところは、音が目に見えないってことだと思う。音程が外れてるとか、リズムがとれないっていうのは、まだミスを認識しやすい。でも音程とリズムはまず基本で、そこから先が勝負なんだけど、理想の歌がちゃんとイメージできてるのかなって。

K:でも、音程取れてない人たまにいるよね。

私:理想の音程がわかってるけど外しちゃった場合は技術の問題だから努力の方向が見えてるけど、本当にたま~に理想の音程イメージできてるのかな?っていう人いるときあるよね。どうした!?っていう人。

 

K:N(=私)も大変なことになったことあるやん(笑)

 

私:カラオケでね(笑)。一応絶対音感あるせいだと思うけど、原曲と違うキーで大変なことになったね。『薔薇は美しく散る』。移調は苦手・・・。原曲と違うキーだと五里霧中って感じになることあるんやよね。危険。あるあるの歌の人、誰だっけ?

 

K:RG。

 

私:そう!RGも原曲キーじゃないと気持ち悪いからって無理矢理でも原曲キーで歌うって。

 

K:へー。

 

私:私の歌でみんな爆笑してたよね(笑)。絶対音感は便利なこともいっぱいあるけど、邪魔なこともけっこうあって。三味線の時も困ったわ。いつもドレミで練習してきたのに、本番だけ歌い手さんに合わせてレミファになるとか。でもまあ、相対音感は努力次第なわけだけど。

 

K:努力しなよ。

 

私:はい・・・。で、話戻すけど、私、楽器の音はドレミで聴こえるけど、歌は自分の中の音階に照らし合わせる感じで。

 

K:へー。

 

私:音程とれてない人の歌が本当に認識しずらい。1音だけ外してるんだったら、それまでのデータから正解の音が予想できるけど、微妙な音程の連続は相対音感力が低いからか混乱しちゃう。

 

K:音がとれるようになるにはどうすればいいの?

 

私:まず、自分の出した音を聴けてないんじゃないかなって思う。テレビで音痴を治す企画があったのを見たときに、ボイトレの先生が、バケツをかぶると自分の声が聴きやすくなるってやってた。

 

K:笑。

 

私:聴くって、大切。聴いて判断する力。

 

K:音楽学校っていうくらいだから、音楽はしっかりやってると思うけど。

 

私:「質」のレベルまで深くやってるのかなーとかちょっと気になる。

 

K:?

 

私:ピアノで言うと、バイエル・ブルグミュラー・ソンナチネ・ソナタって、ざっくりレベル分けされてるけど、正直、演奏聴いてみないとその人のレベルなんて判断しようがないんやよね。音色・各声部のバランス・構成、それができてないソナタとそれができてるバイエルだったら、できてるバイエルの方が上手いと言えると思うし。

 

K:なるほど。

 

私:質ってものすごく大切。特に音色。けっこう上の方の人でも、音程OK、リズムOK、声量OK。でも、なんか変っていう人いるけど、音色を作るってところが足りてないっていうか、そもそも意識がないっていうか、理想がズレてるのか。

 

K:どうしたらいいでしょうか?先生(笑)

 

私:馬鹿にして(笑)。良い音とはどんなものかっていう理想が曖昧なのかな?格好良いってこと関しては、上級生になればなるほど比例して格好良くない?娘役だったら所作とかが板に付いてるっていうか。だからわりと誰をお手本にしても大丈夫な感じかなって思うけど、歌は歌唱法自体それぞれな感じで難しいっていうか。


K:歌唱力にバラつきあるよね。

 

私:良い音を聴く・知る→理想をイメージする→身体に指示を出す→出てきた自分の声を聴く→自分の歌を理想のイメージと比べてどうか分析する→それを踏まえて身体に指示を出す→聴く、っていう循環が理想だと思うけど、まずは、良い音とはどういうものか、何を理想とするのかっていう問いがないとダメだと思うし、それを判断する耳がいるよね。

 

K:はい、先生(笑)

 

私:あとは、

 

K:まだあるの?(怖)

 

私:あと少し。

 

K:はい。

 

私:宝塚の歌ってそもそも、男役は低すぎるキー、娘役は高すぎるキーで歌ってて、こんな過酷な条件で歌やっている人たち他にいないんじゃない?って思って。

 

K:ベストな音域じゃないよね。

 

私:そう。歌の人って自分自身が楽器だから、生まれ持ってのベスト音域があるだろうに。同じ音程でも、娘役っぽくも男役っぽくも歌えると思うから、あんまりにも響きがないとか、キンキンしちゃう音域で歌わせなきゃいいのになって思っちゃう。差を見せるってことなんだろうけど、音色が破壊されちゃ元も子もないと思うんだけど。

 

K:確かに。

 

私:そして、歌はテクニックじゃないっていう考え方はもちろん理解できるんだけど、そうはいっても、表現力=技術+表出だから、表現力の中にテクニックの要素が含まれてるんだよね。だから、誤魔化して歌わずに、テクニックは習得してほしいなって。希望。

 

K:羽生結弦が、「芸術は、絶対的な技術に基づいたものである」って言ってた。いい言葉だと思ってる。

 

私:そう、厳しいよね・・・。技術はないけど表出がすごいって言う例は見たことがあって。それは、小澤征爾がオケの練習で、団員の人たちにどんな風に演奏してほしいか伝えるときに、カッスカスの声で歌うんだけど、しかも声量は全くなくて。でも曲がしっかり表現されててすごく伝わってくる、っていう。でも・・・、

 

K:それを大劇場で歌ったら変。

 

私:だから小澤征爾、指揮してるんだしね(笑)。それはまあ、極端な例えだけどね。私、スケートが滑れたらとか、三味線できたらとかやってみたけど、やっぱり小さい頃からずっとやってるピアノが1番なんだよね。自分では下手だ下手だと思ってやってるけど、自分比では1番テクニックあるから、結局表現欲求を満たしてくれるのはピアノ。踊ってるつもり、歌ってるつもり、飛んでるつもり、なんでも「つもり」でなんとかしてる。あと、気持ち悪いくらいエンドレスで『BADDY』弾いてる(笑)。

 

K:怖い(笑)。ハープ買おうとしてたこともあったよね?

 

私:そう。いろいろ夢がふくらんじゃって(笑)。もちろん小さいハープなんだけど、重かったらつらいなと思って、お米5キロ膝に乗せてみたりして。で、つらくて断念したりして(笑)。あと、アコーディオンとかもね・・・。ピアノって姿勢が自然で、呼吸も楽で、そういうところもいいんだよね。

 

K:ピアノを真面目にやんなさい。

 

私:はい(笑)。でも、今からはじめたとしても、あと数十年生きるなら、挑戦する価値は十分あると思ってるけど。まあ、宝塚も観るようになって時間ないけどね。

 

K:ないね(笑)

 

私:スカステね、最初は再放送ばっかりって思ったけど、全部新しかったら社会生活できないよねって思って(笑)

 

K:廃人になるね(笑)

 

私:幸せな廃人(笑)

 

K:ねえ。歌についての話、キキちゃんに手紙で教えてあげてや。

 

私:絶対嫌やし!(笑)。素人の意見わざわざ届けたくないわ、キキちゃんだって困るよ、恥ずかしい・・・。

 

 

つづく・・・