「私」は、ただ「反応」しているだけ。

アラフォー独身女子(彼女はいます)。「人生これでいいのか?」と思いながらも、「毎日楽しく暮らす」のが1番の望み。

「エクレクティックスタイル」~ 好きなものに囲まれた生活 ~

 

 

「ミニマリスト」・「シンプルライフ」・「断捨離」などの人気が衰える様子がない。

 

別に衰えてほしいわけではないのだけれど。

 


私は、衣食住に関することにけっこう興味があって、世が世なら(今ほど情報が多くなく、自分の人生に選択肢というものがあるなんて思いもよらず、自分の人生に疑問を持つきっかけに出会うこともないような・・・)専業主婦として幸せに過ごせたのではないかと思うほどなので、インテリアのことにも非常に興味がある。


これまで、雑誌やネットで参考になりそうなインテリアを探してきたけれど、どうにもこうにもシンプル系が主流派らしく、気に入ったものが見つからなかった。

 

シンプル系が趣味じゃないからといって、「ブリティッシュトラッドスタイル」や「エレガントスタイル」などは別世界すぎるし、「フィフティーズスタイル」はポップすぎるといった感じで、これだというものが見つからなかった。


さっぱりすぎても重厚すぎても困り、

クラシック過ぎてもポップ過ぎても困る。

 

 

これまでは、海外ドラマなどのインテリアを理想としてきた。

一見ゴチャゴチャしているけれど、よーく見てみると、1つ1つのものがみんな素敵なのだ。

 

 

そんな中、数か月ほど前に出会った『LiLy ― 日々のカケラ ― 』(石田ゆり子著)に、もすごく心惹かれた。

 

書店でパラパラと立ち読みをして、石田ゆり子の生活に興味があるわけではなかったので一旦は買わずに帰ったものの、なぜかどうしても欲しいと思って買ってしまった。

 

1800円(税別)なので、それなりの値段はすると思うのだけれど、十分元が取れたと思えるだけの価値が私にはあった。

 

 

まるで恋をするように、買い物をしてきました。

最近話題の、ミニマリストにはわたしは絶対になれない。

 

(石田ゆり子『LiLy ― 日々のカケラ ― 』文藝春秋 2018年 20・23頁より引用 Amazon CAPTCHA

 

 

という石田ゆり子の部屋には、たくさんの雑貨(と呼んでいいのかわからないけれど)、本、食器、椅子があって、写真に写っているそれらを1つ1つ見ていると幸せな気持ちになった。

 

私の趣味と合うかといえば、半分以上合わない。

 

不思議なことにそれでもワクワクする。

 


これは一体どういうことなのだろうと思っているときに出会ったのが、
「エクレクティックスタイル」

 

折衷スタイルとか、ごちゃまぜスタイルとか、そういう意味らしい。

 


このワードで検索すると、気に入ったインテリアに出会う確率が格段に高くなった。
(さっき、「断捨離」を検索しようとしたら、自分の求めるものが見つからなさすぎて思いつく限り打ち込んでいたときのワード「断捨離 物欲があった方が楽しい」が表示されて笑った。)

 

絵の趣味が合わなくても、色の趣味が合わなくても、見ているだけで楽しい気持ちにになる。

 

1点1点のものたちがみな愛されて、そこにいる。


まさに石田ゆり子の言う通り、「恋をするように」出会って迎え入れられたものたちばかり。

 


人の好き嫌いなんて千差万別だから、「エクレクティックスタイル」といえばコレ!みたいなものはない。


このスタイルを突き詰めていくと、多くの人から良い評価をもらうことは難しいのではないかと思う。


「素敵な部屋ですね」と言ってもらいたいという欲は、我慢しなければならないかもしれない。

 


これまで一応は他人の目も意識してインテリアを工夫してきた私の部屋について、彼女にどう思うか何度も聞いたことがあるのだけど、いつも「うーーーん、独特」と言われてしまう・・・。


もしかするとすでに「エクレクティックスタイル」を実践していたのかもしれない。

とても趣味が良いとは言えないけれど。

 

 

壁の一面に貼られた、たくさんのポストカード。
主に文鳥の絵のポストカード(あとは、ビアズリーっぽい蕗谷虹児の「睡蓮の夢」やクリムトの「接吻」の猫バージョンなどなど)

 

猫足の横型のピアノ椅子。

 

ダマスク柄の収納スツール。

 

木製のシンプルな折り畳みデスク。

 

楕円形の炬燵に、光沢のあるブラウンの炬燵布団。

 

アイアンのダブルベッドに、バーガンディー色のシーツ&カバー。

 

白くて大きくて乙女チックな鳥かご2台。

 

幸楽窯(有田焼)のオシドリの珍味入れ。

 

ガチャガチャの緑の鳥(ふわふわ)、黄色い雀(かたい)、ハトカー、ハトロールカー、とりまんじゅう(桜文鳥・白文鳥)。

 

文鳥だるま。

 


これとこれは同じグループに入れられるけどこれはテイストが違う、などと分類しようとすると収拾がつかないけれど、どれも気に入っているので、私の目から見ると違和感なく収まっている。


それで十分なのかもしれないと思う。

好きなものに囲まれて。

 

これさえ気をつければ一気に解決と魔法のようにはいかないし、地道な感じが受けが悪そうだけれど、自分の感覚に問いかけつづけて、その都度工夫していく姿勢は、インテリアに限らず、役に立つことがあるのではないかなと期待もしている。

 

「エクレクティックスタイル」、楽しいですよ。